BARFOUT!

2011/06

BARFOUT! / 7月号「纏う。RILA」

category: magazine - Brown’s Books - BARFOUT!

BARFOUT! / 7月号「纏う。RILA」

Photography : 宮原夢画(Muga Miyahara Fotografia)
Styling : 小林新(高橋事務所)
Hair : JUNYA(高橋事務所)
Makeup : 遠藤真稀子(高橋事務所)

Text & Art Direction : 鈴木利幸(united lounge tokyo)
Graphic Design : 三森由美(united lounge tokyo)

 

文 鈴木利幸
纏う。

ある日突然、大事に身につけていたものを
脱ぎ捨てたくなることがある。
裸一貫という日本語はよくできている。

RILA
以前から、敬意を評してリラ先輩と僕は呼ぶ。
誰かが、そう言っていたのを聞いてそう、呼ぶことにした。
本人には、嫌がられているのだが。
数年前、日本からニューヨークへ渡って彼女は
様々なワールドキャンペーンなどを席巻した。
突如現れた日本のスーパーモデルは、ひどく陳腐な言葉だが
センセーショナルに世界のクリエーターを虜にした。
いろんな意味で、僕にとっては先輩だ。

身長が高いわけではない。もちろんショーに出るタイプのモデルでもない。
ただある意味、その容姿と強さはモデルの中での経済特区だったように思う。
彼女の代わりになるモデルも、近いモデルもいないはずだ。

リラは、オンリーワンだ。

世界中のフォトグラファーをはじめとするクリエーターが
様々な場面で彼女を求める。もの足りない日々のシューティングに
スパイスを足すように。

銀行員の家庭に育ったそうだ。
意外なはずでもないのだが、そう聞くと意外な気がする。
彼女を知らない人は、とても個性的だと感じるかもしれない。
個性的という言葉は、個性的でない。

とても、普通の女性だと感じることと、
普通ではないことを、普通に話す感じが面白い。
女性的であり、時に男性的でもあり。
日本人的であり、時にボーダーレスでもあり。
そういう無国籍さが見た目以上に彼女にはある。

RILA Fukushima、海外では、そう呼ばれることも多いという。
表現することを欲している。
それはモデルに限らずだ。女優?
いや、聞いているとそういう感じでもなさそうだ。
模索しているというよりは、「場」を探している。
リラという存在が必要とされる場を。

日本から、ニューヨークへ渡った。
いまは日本をベースにしているが
求められるものがあれば、何処へでも飛び
いつもふらっと世界のどこかにいる。

リラは、誰にも似ていない。