BARFOUT!

2011/05

BARFOUT! / 4月号「纏う。今宿麻美」

category: magazine - Brown’s Books - BARFOUT!

BARFOUT! / 4月号「纏う。今宿麻美」

Photography : 宮原夢画(Muga Miyahara Fotografia)
Styling : 小林新(高橋事務所)
Hair : JUNYA(高橋事務所)
Makeup : 遠藤真稀子(高橋事務所)

Text & Art Direction : 鈴木利幸(united lounge tokyo)
Graphic Design : 三森由美(united lounge tokyo)

 

文 鈴木利幸

纏う。

色んなものを纏って人は生きている。
纏っているものの綻びを直しながら
強がりのひとつも言うのだろう。
それは他人には見えない。思い及ばない。

今宿麻美

悲しい顔をする女性だと思った。
最初の印象は、そういう先入観だった。
話すと、それが違うことはすぐにわかったのだが。

「今宿麻美」というひとは、ぼんやり知っていた。
ずいぶん背の小さそうなモデルだな、と思っていた気がする。
話を聞くと、モデルをはじめたころは、それがコンプレックスだったと。
15年もやっていると、迷子にもなるんだろう。
話をしていると、仕事や恋愛で
さまよっている頃の話が多かった。
でも、なんだかブレている感じはしなかった。

宮崎県出身。
本名は、「いましゅく」と読むんです、と教えてくれた。
いまじゅくあさみ、濁音の分だけ彼女は都会のザラつきを
覚えたんだろうな、と思った。

これからは?
「芝居もやりたいし、
どういう形なのかはわからないが世界へも出たい」と話してくれた。
見た目からは、その行動力は読み取れない。
ガツガツしてないことが、彼女の個性だと思い違いをしていた。

よく、年齢を重ねても美しいことをエイジレスという。
でも本当のエイジレスは今宿麻美なんだと思う。
見た目ではない。佇まいが年齢を感じさせない。

「私は古風なんですよ。男の人にも、誠実さや、やさしさや色んなものを求めるし。」
確かに話していると、相手に気をつかっているのがわかる。
何より、彼女が普通であることを望んでいることに驚いた。

深読みさせるオンナが好きだ。
別に、本人は意識はしてないんだろうが
こちらが身構えたり、勝手に考えを想像してみたり。
そういう女性は、男を引きつける。無意識に、拒絶もする。

今宿麻美はモデルなのかな?
なんだか、最後まで彼女をうまく形容する言葉が見つからない。
世の中の言葉を借りていうとストリートのポップアイコン「今宿麻美」。

彼女は、時代を纏っている。